良質な腸内環境が免疫力を高めてウイルス感染を予防する

良質な腸内環境が免疫力を高めてウイルス感染を予防する

先日、私が協力医をしている住宅型有料老人ホームで新型コロナウイルスのクラスターが発生しました。患者さんだけでなく、スタッフも8割以上の方が感染してしまいました。その中で、60歳を超えた女性看護師さんが、毎日現場で働いている中で感染されませんでした。

本人に何か心当たりがあるかを聞くと、「私は数年前からヨーグルトを食べるようになりました。それ以降、毎年罹っていたインフルエンザにもかからず、今回の新型コロナウイルスにも罹りませんでした。」とのことです。たった一人の感想ですからはっきりと証明はできません。しかし現実に、彼女よりも若いスタッフ次々に感染していくなかで驚きでした。

実は、この話は医学的にも理にかなっている話です。腸内環境は、皆さんが思っている以上に免疫力に影響を及ぼしているのです。今回の記事では、「良質な腸内環境が免疫力を高める理由」について総合内科専門医として解説します。

目次

1.免疫の70%以上が腸管に存在

腸管は、口から肛門までひとつなぎなっているため、「内なる外」といえます。そのため、腸管の働きは消化吸収だけでなく、免疫機関としてとても大事です。多くの細菌やウイルスは、口から侵入し、腸を通じて体内に侵入します。これらの侵入者から身を守るために、腸管には体の中で最大規模の免疫機関が存在しています。結果、免疫細胞の約70%が腸に存在しているのです。

善玉菌を増やし、活動を活発にさせることが大事です

2.腸管の免疫の大きな働き

腸管における免疫の大きな働きは以下の二つです

2-1.小腸のバイエル板

腸管で最大の免疫機能を司っているのが、小腸に存在する「バイエル板」という器官です。バイエル板の外側にはM細胞という免疫細胞があり、身体にとっての異物を発見するとヘルパーT細胞に情報を伝え、B細胞が抗体を作り異物を攻撃することになるのです。

2-2.大腸の免疫グロブリンA(以下IgA)

感染症予防で重要になるのが、免疫細胞で作られるIgAです。IgAは様々な病原体に対応することができ全身の粘膜で病原体の侵入を防いでいます。そして、IgAの産生を増強するものが、大腸で腸内細菌が生成する短鎖脂肪酸なのです。産生されたIgAは血流にのって全身をめぐりあらゆる粘膜で感染予防に関与しているのです。

3.腸内細菌叢のバランスが、免疫力を高める

IgA産生で重要な働きをする短鎖脂肪酸は、大腸で腸内細菌が植物繊維やオリゴ糖を発酵させることで生成されます。そのため、腸内細菌叢のバランスが悪いと、免疫力が低下してしまうのです。


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4.腸内環境を良くするには?

ウイルスの感染を予防するためには、腸内細菌を整えることが大事になります。この場合に注意が必要なのでは善玉菌を摂取するだけでなく、そのエサになるものも同時に摂取する必要があるのです。

4-1.善玉菌を増やす

腸内細菌のバランスを整えるには、善玉菌を増やす食事を心がけることがおすすめです。乳酸菌やビフィズス菌が含まれるヨーグルト、納豆や漬け物などの発酵食品を毎日の食事にプラスするだけで、手軽に善玉菌を補給できます。ある意味、ヨーグルトを摂取していた看護婦さんが新型コロナに感染しなかった理由の一つと考えられます。なお、以下のようなサプリメントもお薦めです。Amazon広告からご紹介します。

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4-2.善玉菌のえさを摂取する

善玉菌を摂取するだけでなく、善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖の摂取も必要です。食物繊維が豊富な野菜や海草類などを積極的に食事にとり入れたり、オリゴ糖を多く含む豆類やバナナなどの食品を意識して摂取しましょう。

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4-3.悪玉菌をのさばらせる食習慣の改善

悪玉菌は肉や脂肪などを好みます。通常は小腸で吸収されるアミノ酸や胆汁酸が大腸に流れ込むことで、悪玉菌によって発がん物資や有害物資を作られてしまいます。洋食が多く、外食が多い方は、食生活自体を見つめ直す必要があります。肉食に偏らないバランス良いメニューを心掛けましょう。

5.まとめ

  • 腸管は、消化吸収だけでなく免疫細胞の約70%が腸に存在しています。
  • その中でも、小腸における「バイエル板」の働きと、大腸におけるIgAの産生の増強作用が重要です。
  • 腸内細菌叢のバランスをとることが、免疫力を高めることになります。

 

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