脳腸相関・・腸内細菌がうつ病を引き起こす! 漢方薬も治療薬に?

脳腸相関・・腸内細菌がうつ病を引き起こす! 漢方薬も治療薬に?

私は、認知症の治療薬は脳への直接的なアプローチでは限界があるのではないかと考えていました。実際、腸内の状態が認知症に強く関連があるとする論文も発表されています。また脳の変性疾患であるパーキンソン病も腸管の炎症が脳に波及することで神経細胞が変性するという機序が報告されています。

そんな中、腸内細菌叢の変化がうつ病など精神疾患の発症システムにかかわる仕組みを、米ジョンズ・ホプキンス大学の神谷篤教授と酒本真次研究員(現岡山大学助教)らが明らかにしました。医学誌なかでも相当レベルの高い米科学誌ネイチャー・イミュノロジー電子版(2023年3月20日付)に掲載されました。今回の記事では、脳腸相関および治療薬としての漢方薬についても解説します。

目次

1.「γδ(ガンマデルタ)T細胞」が脳に作用

神谷教授らの研究報告は以下のようなものです。

体内の粘膜に広く存在するリンパ球である「γδ(ガンマデルタ)T細胞」が脳に作用しているという。研究は毎日、短時間攻撃されるなど、ストレスを受けたマウスではT細胞の分化にかかわる乳酸菌が減り、うつ状態になることを確認。また共同研究で、同じタイプの乳酸菌の減少と、ヒトのうつ病患者の重症度が相関していることも確認された。またストレスにより、γδT細胞が炎症性サイトカインという物質をつくる細胞に分化し、この細胞が脳髄膜に移ることでうつ症状を引き起こすことも明らかにした。

2.脳腸相関とは?

脳腸相関とは、脳と腸が影響を及ぼしあうことを示す言葉です。脳が腸に影響を及ぼす場合は、「脳が自律神経を介して腸にストレス」を伝えます。ストレスによって、お腹が痛くなって便意を催すことが良い例です。

一方で、腸が脳に影響を及ぼす場合は、「腸の調子が悪くなると脳で不安が増す」ことが報告されています。最近では、中国で、腸内細菌に対する薬が、認知症の進行を抑える効果があることがわかったとも報道されています。今回の研究成果のように、うつ病も腸内免疫が影響し、腸内環境の改善がうつ病を改善する可能性も不思議ではないのです。

3.記事の中では漢方も効果

記事の中では。γδT細胞が炎症性サイトカインという物質をつくる細胞に分化を抑えるために、マウスに漢方の生薬「茯苓(ぶくりょう)」の成分であるパキマンを飲ませたところ、うつ状態を予防することも報告されています。

ちなみに「茯苓」は半夏厚朴湯エキスなどに含まれています。効能・効果は、「体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感」とされています。今回の研究結果以前より、漢方の世界ではうつ症状への効果が認められていたようです。

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4.漢方も良いけどお腹を温めることも有効

いきなり漢方を服薬することに抵抗がある方は、お腹を温めることも効果的です。私は、長年、眠る前には目とお腹を温めることを習慣にしています。お腹を温めると以下のような効果があります。

4-1.全身が温まって冷え性が改善

手足の冷えで悩んでいる方は多いものです。そのために、手や足を温めても、その場しのぎです。多くの臓器が集まっているお腹を温めることで、体温が上昇します。その結果、手足の血管が拡張することで、根本から冷えが改善します。

4-2.免疫力が亢進

体温が高いほど、免疫細胞は、活発にウイルスや細菌から守ってくれます。特に、腸に常在している免疫細胞は、身体全体の60-70%を占めています。お腹を温めることで、腸内細菌の活動が活発になり免疫力が亢進するのです。

4-3.代謝の亢進がおき太りにくい

お腹を温めることで、栄養素や酸素が、温まった血液の流れに乗って、身体全体に運ばれます。その結果、細胞の働きが活発になって、新陳代謝が活発になります。つまり、安静にしていても基礎代謝が上がるため、太りにくい身体を作ることができるのです。


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4-4.便秘の改善

便秘の改善には、食事も重要です。しかし、私の患者さんでも、野菜などでしっかり食物繊維を摂ったり、ヨーグルトを食べても便秘が改善しない方がいらっしゃいます。こんな方がお腹を温めると、腸の血流が改善して、蠕動運動が活発になって、排便が誘発されやすくなることを実感しています。

4-5.生理痛の改善

生理痛は、プロスタンジンという物質が、過剰に分泌されることで、子宮を収縮させることで引き起こされます。お腹が冷えて、血液の流れが悪くなると、プロスタンジンが骨盤内に停滞して、さらに生理痛を強くしてしまいます。お腹を温めることで、血液の流れが改善すると、生理痛を和らげることができます。

4-6.メンタル面の安定化

脳腸相関の観点からも、腹部の血流が悪くなると、気持ちも沈みがちになります。お腹を温めることで、気持ちも前向きになって、ストレスにも強くなり、身体も心もリラックスすることができるのです。この過程に、今回発見された作用機序が関与していると思われます。

5.長谷川が愛用中の「あずきのチカラ おなか用」

お腹を温めるにはカイロを張ることや、腹巻も有効です。しかし、日中の使用に抵抗がある方は、寝る前にお腹を温めることをお勧めします。これには、「あずきのチカラ」シリーズのお腹用を使っています。実は私は目を温める目的で「あずきのチカラ」をそれ以前から愛用していました。その目を温めると同様の作用でお腹も温めます

「あずきのチカラシリーズ」の魅力的なところは、何度でも繰り返し使えるところ。さすがに無限に使えるわけではありませんが、メーカーによれば250回も繰り返し使えます。あずきは、温めることで天然蒸気が出て、お腹の奥までじんわり温まります。その際に、とても良い香りがするので、とても心地よいです。

お腹用は、表の裏で、高温用と低温用に分かれており、好みで使い分けられます。私は、高温用が好みです。もちろん高温用と言っても火傷をするような温度ではないので安心です。

ただし、寝ているときに目とお腹に「あずきのチカラ」を乗せている姿は、娘たちからは異様な目で見られていますが・・。

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6.まとめ

  • うつ病と腸内細菌叢の関係が明らかになりました。
  • 従来、認知症やパーキンソン病も腸との関連が指摘され、その重要性が広がっています。
  • 腸の環境を整えるには、漢方やお腹を温めることも有効です。

 

 

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