数独より簡単、認知症予防に自ら確定申告を!・・専門医が解説

数独より簡単、認知症予防に自ら確定申告を!・・専門医が解説

確定申告の時期がやってきました。確定申告は、平成30年で2222万人の方が行っており、避けては通れないものです。しかし、確定申告については、いろいろな立場の方がいらっしゃいます。「すべて会社任せの人」、「税理士さんに丸投げの人」、「すべて自分で行う人」です。

どのような方法をとっても、個人の自由ですが、認知症専門医としては、できれば自分自身で行うことをお勧めします。私は、著書の「一生稼げる脳の作り方 定年に縛られずに自由に生きていく「お金」と「健康」と「働き方」の話」の中で、お金に関心を持つことが認知症を予防することを紹介しました。今回の記事では、FP資格をもつ認知症専門医の長谷川嘉哉が、自ら確定申告を行うことが認知症予防につながる理由を解説します。

1.確定申告は学ぶことがたくさん、とは

個人的には、社会人なら確定申告を自ら行うことをお勧めします。自ら行うことで、以下のようなことが理解できます。

1-1.収入と所得は違う

何気なく、世間で使われている「収入」と「所得」という言葉、両者には明確な違いがあります。収入とは、源泉徴収などが引かれる前の給与・年金等の合計です。収入から「給与所得控除」を引いたものを所得と言います。

*給与所得控除:年収に応じて決まっており、事業者の「必要経費」と同じと考えると理解しやすくなります。

1-2.税金は、所得に応じる

所得から、「扶養控除」「配偶者控除」「社会保険料控除」「医療費控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「寄付金控除」といった所得控除を引いたものに対して、税金がかかります。つまり、税金を節約するには、収入ではなく、所得控除を漏れなく申告することが重要になります。

*所得控除:給与所得控除のほかに「ある一定の条件を満たすと控除される制度」のこと。

1-3.税金以上に払っている社会保険料

確定申告をすると、1年間に支払った社会保険料の大きさに驚きます。社会保険料とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険などにかかる保険料の事です。確定申告で、社会保険料と所得税額と比較すると、多くの方が、社会保険料を所得税より多く払っていることに気が付きます。(年収が高い方は逆のこともあります)

2.必要書類を丸投げしてはいけない理由

自ら確定申告をすると、税金計算の流れが理解できます。そうすると、必要書類を自ら準備することができます。

2-1.言われたものを用意するだけでは、認知症まっしぐら

ブレイングループでも、確定申告の時期になると「税理士さんに○○を用意するように言われた」との問い合わせが増えます。確定申告の経験がない方は、税理士さんや会社から言われたものを、受動的に準備することになります。そこには、自ら考えることがありません。このような生活態度は、認知症まっしぐらです。実際、私の認知症初診でも、「金銭管理はできていますか?」の質問に対して、「もともと若いころから一切何もしていませんでした」と答える方がとても多いのです。

2-2.自ら考え、書類を用意する

能動的に、自ら考え書類を揃えることは、結構大変です。ばらばらに郵便で届く書類を、整理することも必要です。自ら、必要書類を手配する必要もあります。漏れなく完璧な準備をすることは、思いのほか頭を使うのです。

2-3.自ら準備する爽快感

手間のかかる書類の準備も、自らの意思で行うと、完成時には爽快感があります。その上、税金が安くなるという実質的なお得感も享受できます。こういった「心地良さ」は、認知症の初期で萎縮する扁桃核を刺激して、予防につながるのです。


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3.確定申告で金融リテラシーが上がる

確定申告をすると、金融リテラシーが間違いなく向上します。

*金融リテラシー:金融や経済の基礎知識に準拠し、主体的に行動・判断するための資質

3-1.確定拠出年金のメリットがわかる

確定申告をすると、確定拠出年金のメリットも理解できます。何しろ、掛け金に税金や社会保険料がかからず、その上受け取る際も課税が優遇されます。外来で多くの患者さんが、年金の重要性を口にされます。サラリーマン、自営業者、経営者立場に関係なく、年金の3階部分になる確定拠出年金には加入すべきです。

3-2.加入できる方は小規模企業共済は必須

小規模企業の経営者や役員の方であれば、小規模企業共済は必須です。何しろ、廃業や退職時のために積立てた掛け金(上限月額7万円)が全額所得控除になるのです。確定申告をすると、掛けた金額に税金がかからないことが実感できます。その上、受給時には課税が優遇される。加入できる方は、必須です。

3-3.ふるさと納税の有効性

ふるさと納税は決して節税が目的ではありません。しかし、確定申告をすると、寄付金控除の項目から「どうせ払う税金を『ふるさと納税』として払えば、返礼品がもらえる」というお得感を実感できます。

4.自ら確定申告を行うことで、豊かな老後を

自ら確定申告をすることは、金銭的なメリットに加え、一生使える脳を手に入れることが出来ます。

4-1.介護問題の大部分はお金で解決

世の中の、介護問題の90%はお金で解決できます。仮に国民年金の方でも、確定拠出年金を利用すれば、不足する年金はカバーできます。それ以外にも、確定申告によって得た知識を総動員すれば、経済的余裕によって介護問題を解決できるのです。

4-2.一生使える脳を手にいれよう

自ら確定申告を行うような能動的な生活程度は、「一生使える脳」を手にいれることで、認知症になりにくくします。その上、経済的余裕があれば、無用なストレスからも解放されます。つまり、そもそも介護が要らない人生を過ごすことができるのです。

5.まとめ

  • 確定申告は、平2000万人以上の方が行っており、避けては通れないものです。
  • 確定申告の自分で行うと完成時には爽快感があります。その上、税金が安くなるという実質的なお得感も享受できます。
  • 自ら確定申告をすることは、金銭的なメリットに加え、一生使える脳を手に入れることが出来ます。
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