先日、2020年度に買い付けた旧NISAについて非課税期間満了の連絡がありました。投資先はアメリカのS&P500に連動するETF。5年弱の運用期間で∔134%、2倍以上です。何もしないほったらかし投資でこのパフォーマンス。日本株ではこの数値は出ません。まさにこの理由を野口悠紀雄さんが説明してくれています。
- 国民の能力に差がないのに、国の豊かさになると、なぜこれほどの違いが生じてしまうのか?
- 抽象的に言えば、「アメリカの豊かさの源泉は、異質なものへの 寛容 と多様性の容認」ということだ。
- 一人当たりGDPで見れば、アメリカは日本の2・2倍程度豊かだ。しかし、専門家の報酬を見ると、アメリカは日本の7・5倍程度にもなる。
- 世界には、一人当たりGDPでアメリカより豊かな国はいくつかある。ただし、それらは北欧諸国など、人口が少ない国だ。人口が数千万人以上の国の中では、アメリカが最も豊かだ。
- ソフトウェア・エンジニアの給与:アメリカは日本の4倍
- グーグルのトップエンジニアの年収は4億円!
- 賃金が経済成長を 牽引 するのではない。経済を牽引するのは、新しい技術やビジネスモデルだ。
- 技術革新が起こらない日本で、目覚ましい賃金上昇はありえない
- 先端企業がアメリカをリードする 時価総額ランキング100位内にアメリカ 61 社、日本1社
- マイクロソフトとアップルだけで、東証プライム時価総額とほぼ等しい
- 時価総額世界ランキング上位100社中に、製薬会社が 10 社ある。そのうち6社がアメリカの企業だ。
- トップのイーライ・リリーの時価総額は6974億ドルで、トヨタ自動車(3055億ドル)よりはるかに大きい。全業種世界ランキングで第 10 位だ。
- アメリカの人口は、世界人口の約4・3%だ。ところがGDPでは世界GDPの約 25%を占める
- イーライ・リリーは、コロナワクチンの開発には失敗したが、肥満症治療薬「ゼプバウンド」の開発に成功し、株価は2020年の年初から4倍以上になった。
- アメリカの産業構造は、日本に比べてはるかに収益力が高く、高度化している。
- IT産業の最先端であるAIになると、ほぼアメリカの独走状態だ。
- 最先端分野の強さを支えるのは、大学の水準の高さ
- 世界トップ100位までに入る大学数が世界一多い国はアメリカであり、 36 校ある。トップ 10 位までの大学を見ると、アメリカの大学が7校だ
- 日本が近代化に着手して以来、先進国というモデルが存在していたからだ。目的は、先進国を 模倣 してキャッチアップすることであり、新しい技術を開発したり、新しいビジネスモデルを作り出すことではなかった。したがって、専門的な知識よりは、協調性などの資質のほうが重要と考えられたのである。
- 専門的な知識と技能を持った人々が、フロンティアを積極的に切り開くことを要求されている。だが日本企業は、そのような転換ができないでいる。
- 半導体製造装置や原材料で日本が強いのはなぜか?
- 垂直統合で自社に半導体部門を持っていた電機メーカーは、マーケットの変化を読めなかった。そして、世界の市場を見ず、自社製品のために半導体を作るという視座にとどまってしまった。
- 材料メーカーは、材料を他社に使ってもらわなければ生きていけないので、デバイスメーカーがこれから何を作ろうとし、どんな半導体を望んでいるのかについて、必死になってヒアリングをし、材料開発をしてきた。
- 最近の半導体ブームの中で脚光を浴びているのが、半導体製造装置大手の東京エレクトロンだ。
- 最先端の半導体製造に不可欠のEUV(極端紫外線)向けは、シェア100%であり、世界をリードしている。
- バブル後最高値更新」の中身の、なんと空虚でみすぼらしいことか
- アメリカは 14 倍、日本は1倍
- アメリカの株価の上昇は、2つの実体的な要因による。第一は、GDPの成長。第二は、産業構造の高度化。このように、株価の上昇には実体経済活動の裏付けがある。
- 円安は「麻薬」。技術開発という「手術」を怠った
- 手術を怠って、麻薬に依存する。それが続いて、日本企業はついに足腰が立たないまでに衰退したのだ。
- 生産性上昇を伴わない賃金の上昇は、スタグフレーションを加速させる危険がある。
- アメリカで進められた多くの科学的・技術的開発は、移民によって行なわれた。
- 移民がアメリカの総人口に占める割合はわずか 14%であるにもかかわらず、移民が創立した企業は、フォーチュン500企業のうち101社、移民を親に持つ2世が立ち上げた企業が122社あった。また、2011年以降にアメリカで創設された企業のおよそ3分の1は、移民が立ち上げた企業だった
- アメリカ人が優秀というよりは、アメリカは優秀な人々が能力を発揮できる機会を与えてきたのだ。
- 研究活動への「場所貸し」で強くなったアメリカ
- 企業が政府からの補助を求め、政治家がそこに介入するという構造も、金融政策が消費者を無視して企業のために円安と低金利を続けることも、政治家がつぎの選挙のことしか考えないことも、そして野党が全く頼りにならないことも、容易に変わりそうにない。