先日、雑誌の記事で「金融抑圧」という言葉が出ていました。
リーマンショックによる、家計や金融機関の巨額債権は、各国とも国債増発という形で、国家に移されました。
各国とも国債増発による財政赤字削減に懸命です。
しかしこのような公的な債務を削減するには、増税、歳出削減、高成長、デフォルトという選択肢があります。
しかし現在、こんな策を打てるほどのリーダシップを持つ政治家はいませんし、きっとマスコミに潰されてしまう
でしょう。
では、このまま国債の暴落を待つしかないのでしょうか?
その際の一つの手が、「金融抑圧」という手です。
つまり5%のインフレ率を維持しながら、2%の金利で国債の調達を行うのです。
そうすると民間経済からは3%の期待利益が損失されますが、これが政府に転嫁されて公的債務が減少するという仕組みです。
ドラスティックな変化を望まない日本人には、最も現実的な手法だと思います。
具体的には、皆さんの給料の額面は少しずつ上がっていきますが、世の中の物の値段が上がっていき、思いの外手元にはお金が残らないという事態になります。
今後増え続ける年金受給者は、特に生活が苦しくなると思われます。
実は、この記事を読んで再びある本を思い出しました。
まさに、この中で描かれていた日本の国は、金融抑圧が行われている世界なのです。
本の中では、レアメタルの高騰をきっかけに平成30年には、日経平均株価は2万円程度、1ドル240円、1か月の
介護保険料は15,000円(*ちなみに現在は3,000円程度)、車も殆ど電気自動車がメイン、高齢者も生活のために働いているのです。
特に、給料の額面が増えていても、お金が残らないという状況が見事に描かれています。まさに金融抑圧政策の結果です。
堺屋太一さん自身は、この小説の内容が当たって欲しくないと思って書かれたそうです。
しかし、平成20年の時点で、残念ながら当たっていると言われています。
ちなみに、私は本を読んだ10年程前より、予想にしたがって、毎月金・プラチナ・ユーロ・ドルを買い続けています。
皆さんも、是非『平成30年』を読まれ、個人そしてビジネスでどのように対応すればよいか検討されることをお勧めします。