私は、以前までは「5年間の期限付きのNISAは利用価値がない」とお伝えしていました。しかし、令和6年1月から始まる新NISAは凄いです。何十年後かに「新NISAを導入した岸田首相は凄い!」と言われる日が来ると思っています。それほどのパフォーマンスをもつ新NISAですから、利用するかしないかで将来の貧富の差ができてしまうと思います。ただし、これに乗じて手数料をふんだくろうとしている金融機関も多々あります。今回の記事では、新NISAのメリット、そして金融機関に騙されない方法を紹介します。
目次
1.そもそもNISAとは?
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。NISAは「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
2.従来のNISAがお薦めでなかった理由
投資は長期投資が絶対条件です。この場合の長期とは最低20年、できれば30年が必要です。今までの一般NISAは5年間しか非課税期間がありません。これでは、そもそも非課税のメリットを享受するほどの利益や配当はでません。
3.2024年からの新NISA は凄い
2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。なんと非課税保有期間が無期限です。従来の5年から考えれば、凄いことです。そのうえ年間投資枠の上限額も積立投資枠が120万円、そして成長投資枠が240万円に引き上げられました。積立投資枠と成長投資枠は併用可能で年間360万が5年で最大合計1800万円が可能です。この1800万円に対する配当、売却による利益は全くの無税です。さらに売却して1800万円の枠が減れば、再投資も可能な点が嬉しいところです。
4.すべてに優先して新NISA投資を
こうなると投資を考える際には、すべてに優先して新NISAを利用しましょう。不動産投資や金投資など世の中には多くの投資方法がありますが、税制面でこれほど優遇されるものはありません。まずは新NISA枠の1800万円を埋めることを第一優先にして、それでも余裕があれば他の投資を検討しましょう。
5.18歳になれば、贈与税を払ってでも早く加入
といっても1800万円の投資枠を埋めることはかなり難しいものです。そのため、可能なら18歳を超えた子供さんやお孫さんへの贈与を検討しましょう。子供さんやお孫さんに5年かけて1800万円分の投資資金を贈与して、その後ほったらかしにしておけば良いのです。『72の法則』でいけば、年間6%の運用で12年で倍。24年で4倍、36年で8倍です。23歳で1800万円分を贈与し終えれば、子供たちは36年後の59歳で14400万円(=1800万×8倍)の享受を受け、利益に対しても全く税金がかからないのです。ちなみに年間360万円の贈与税は、27.5万円とわずかに7.6%の税率です。メリットを考えれば贈与税は安すぎます。
6.新NISAは銀行で行ってはいけない!
新NISAは20‐30年の長期の投資になります。そのため手数料が高くなるとパフォーマンスが一気に落ちます。そもそも投資商品は銀行でなく証券会社で販売するものです。それを銀行が証券会社から委託して販売するということは、手数料の安い商品はあり得ないのです。つまり銀行で販売する商品は100%ぼったくりクソ商品になるのです。仮に一部は手数料が少ないものでも、必ず同時に手数料の高いものを売ってきます。具体的には、「積み立て投資枠は安全なものにして、成長投資枠ではリスクを取りましょう」といった営業トークです。
7.新NISAをネット証券で開設できるか否かが貧富の差へ!
したがって新NISAは証券会社、それも対面でないネット証券で行いましょう。「証券口座の開設は難しい?」、「ネット証券は不安?」と思ったら、貧困まっしぐらと覚悟してください。それが嫌なら、自ら勉強して富裕層を目指しましょう。今の時代、YouTube等で詳しく解説している動画が山のようにあります。それでも現在、NISAを開設している人は7人に1人しかいません。この状態でいくと7人に6人は貧困層に転落してしまうかもしれません。
8.具体的な投資先は?
- 積立投資枠(合計600万)・・これは現行の積立NISA枠の商品と同じになります。無難に全米S&P500インデックスもしくは全世界株式全体に連動する商品を選択しましょう。
- 成長投資枠(合計1200万)・・これは投資信託だけでなく個別株も購入可能です。ただし、これも積み立て投資枠と同じ対象商品で大丈夫です。あえてリスクを取らなくても、全米S&P500インデックスであれば年間5~7%の運用は期待できます。長期であればこれで十分なのです。なにより手数料が低いことが何よりです。
9.まとめ
- 税制面からも、すべての投資に優先して新NISA枠を利用しましょう
- 子供さんやお孫さんへの贈与に使うと富のスパイラルが完成します。
- 新NISAは銀行でなく、ネット証券で開設しないとパフォーマンスが激減します。