今年は、インフルエンザが大流行しています。毎年流行していますが、7-8年に一度大流行します。今年はその当たり年のようです。インフルエンザの患者さんは突然高熱を発し、若い方でも本当に辛そうです。『風邪ぐらいでは仕事を休むな、インフルエンザでは出勤するな』と言われるほど感染力も強いため、家族全員がインフルエンザのになる方も見えます。そんな中で、この程度の症状で受診?と言われ方も見えます。正直、自然に良くなるような患者さんが結構見えます。いくつか紹介します。
1)鼻水・・鼻水も、鼻腔を洗い流すために出ているのです。薬は不要です。鼻はかんでもらえれば良いのです。
2)のどの痛み・・これも、自然治癒力によって、炎症が起きているのです。あえて、鎮痛剤を使用すると、治るまでの
期間が長くなります。但し、咽頭に膿がついている場合は、抗生剤を使用します。
3) 痰・・受診される患者さんが、“痰”と言っている殆どは、鼻汁が喉に流れたものを言っています。38度以上の発熱、
咳が伴う場合のみ、抗生剤を服用します。
4)下痢・・下痢も悪いものを出すために出ているのです。薬は不要です。下痢止めなどもってのほかです。
5)悪心・嘔吐・・これも悪いものを体の外に出すためのものです。薬は不要です。ただし、小児や高齢者が脱水になっ
た時にのみ、補液を行います。
上記程度の症状であれば、多くは自然治癒力で治ります。今年のようなインフルエンザ大流行の時期に、病院に行けばかえって感染の危険があります。多くの方が自然治癒力を信じて生活をすれば、病院や救急外来が疲弊することもなくなります。何よりも、みなさんの身体にも自然なことなのです。