著者・土井英司さん、編集者・黒川精一編集長。
出版業界で、これ以上の最強タッグはありません。
幸い、そんな二人とご縁を頂いていることには感謝です。
文中には、
『書評や読書感想文など書く必要は無い』と書いてありますが、
あえて、この本で自分が引いた線を紹介します。
① 自ら引いた1本の線が、時に革新的なアイデアをもたらしたり、
人生を変えてしまうほどのインパクトを持ったりすることがある。
② 人々の飢えた心を救うのは、エンターテインメントを充実させることではなく
現実そのものを良くしていくことだ。
小説は消費 、ビジネス書は投資。
③ ビジネス書には、著者のフィルターが収められている。
あなたの見方を変え、インプットの内容を変え、
世界を変化させてしまうフィルターが手に入る。
雑誌には、フィルターはない。
④ 本の内容が面白いかどうかなど、あなたのビジネスには関係もない。
本はあくまで、それ自体を楽しむものではなく、人生を楽しむためのツールである。
⑤ いい話は心の栄養である。
ただし、その良い話は、ビジネスとは関係がないことを知っておくべきだ。
⑥ 優れた著者の条件は一流の変態かどうかなのだ。
⑦ 成功の結果ではなく、原因を探しながら読み進めていくと
1カ所2カ所はその核心部分が書いてある。
⑧ 読書とは他者との違いを作り出す作業だ。
自分の専門知識を深めるだけではなく、
関連性のない分野を学び、組み合わせる。
これができると他者との違いを作れるようになり、
競争優位性を発揮できる。
⑨ 思考の横展開が始まると、読書はもう尽きることがなくなる。
知らないことへの恐怖は、知らないことを知る喜びへと変化している。
ここまでたどり着ければ、本書の役割は終わったのかもしれない。
⑩ 学びとはアナロジー(=類推)である。
違う世界のものを受け取って自分の世界に適応し、
何らかの成果物を生もうとする。だから、
何でもアナロジーで見られなければ、
その時点で読み手として一流にはなれない。
⑪ なぜベストセラーになったのか。
答えはシンプルだ。
普段本を読まない人が買ったからだ。
あなたのビジネスの客は評論家か?庶民か?
⑫ 教育は、とても残酷なものだ。
学んだ人はさらに深く学べるようになり、
そうでない人との差は指数関数的に広がっていく。
引く線は、とても一本ではおさまらない、学びの多い本でした。
ちなみに、自分は土井さんに、
“長谷川さんは○○の変態ですね”と言われたことがあります。
最高の褒め言葉に、改めて嬉しくなりました。