全国の書店員さんが選ぶ「本屋大賞」の作品は、さすがにハズレがないです。どの本も一気に読めて、読後感も心地よいです。そんな「本屋大賞」の本は、過去にすべて映像化されています。『汝、星のごとく』も、読みながら読者の頭のなかで映像化できます。「俳優は誰が演じてくれるのか?」を考えるだけでもワクワクします。
- 「うちのおかん、 惚れると相手が全部になりよんのや。家も仕事もほったらかしで、最初はかわいいけど、男からしたら、なんや重とうなるんやろな。結局は捨てられよる」
- 「ええよ。俺も気が楽になったし」 「楽?」 「この島には正しい家族しかおらんと思とった」 「なにそれ」 「おとん、おかん、子供、ジジババ、親戚 」
- 大人なんて、そんな偉い生きもんやない
- 必要ないものを 愛でる、それこそが文化です。
- 子供のころ、いたずらをすると大人に 叱られた。そんなことをしてはいけません。けれど大人だってしてはいけないことをしている。
- 笑いごとにするのだと俺は決めている。悲しい話を悲しいままで終わらせるということは、昔の俺をその物語に永遠に閉じ込めるということだ。俺はそこから逃げ出して、同じ材料でまったくちがう物語を組み上げたい。それが俺自身を救うことに
- 親がちゃんと段取りしてくれるやつらより、俺らは不利やねや。ほな手持ちのカードの中から一番譲れんもんを選ぶしかない
- 誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない
- そんな経験はただのゴミだから、ゴミであふれ返った日常を見たくなくて物語にのめり込んだ。 けれどあるとき、ふと気づいたのだ。 他の連中が知らないことを、俺は知っているのだと。 それが宝石だろうが汚物だろうが、ものを書く上では同じ宝の山となること
- 自分に運がないことを俺は知っている。昔から、いいことがあったら悪いことがふたつ起きた。調子のいいときほど自虐をして守りを固める。そんな卑屈な 癖 がついていた
- お腹を切るだけじゃ死ねないの。だから苦痛を長引かせないために首を落とす。武士の情けってやつ。わたしも奥さんももう腹は切ってる。あとは男がとどめを刺すだけ。そこで男が怖がって逃げたら、死にきれずに女がのたうち回ることになる
- 誰かに幸せにしてもらおうなんて思うから駄目になる。自分で勝手に幸せになれ。自分は自分を裏切らない。
- いい評判しかないということは、読者が少なく偏っているということだ。ヒット作に酷評が多いのは、それだけ多くの人が読んでいるから
- いざってときは、誰になんて言われようと好きなことをしなさいね。怖いのは、えいって飛び越えるその一瞬だけよ。飛び越えたら、あとはもう自由
- 自分に自信のある女のほうが、素直に男に頼れるのだろうか。もしくは、そもそも力があるから、頼る頼らないではなくギブアンドテイクのスタンス
- 経済的に自立してることと、ひとりで生きていくことはまた別の話
- 「自分がかわいそうと思わなければ、誰にそう思われてもいいじゃないですか」
- きみはひとりで考えて、ひとりで反省して、ひとりで答えを出すんですね
- 自ら選んだ時点で、人はなんらかの責を負う。他人から押しつけられる自己責任論とは別物の、それを 全うしていく決意。それを 枷 と 捉えるか、自分を奮い立たせる原動力と捉えるか。
- 必要なのは頭を空っぽにする、その一瞬だけ」 あとは勝手に走っていく、後戻りはできない
- 自分で自分を養える、それは人が生きていく上での最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね。
- 過去は変えられないと言うけれど、未来によって上書きすることはできるようだ。とはいえ、結局一番のがんばれる理由は『ここはわたしが選んだ場所』という単純な事実