医学部生必読の書 ・・渡辺淳一 『白夜』

2014-06-02

先日、渡辺淳一さんがお亡くなりになりました。最近では、恋愛小説家の代表のようでしたが、我々の世代は、医師免許を持つ作家というイメージです。特に高校時代や、医学部生時代には、仲間たちと競って渡辺作品を読み漁ったものです。

その中でも、決して代表作ではないのですが『白夜』は印象的でした。渡辺淳一先生が、なぜ、医師から作家になったか? そんな“大いなる転進”に答えたのがこの『白夜』です。医学部へ進み、作家の道へ踏み出す20歳から35歳までの青春の戸惑い、悩みが巧みに描かれてました。医学部時代は、医師家系でない自分などは、医師という職業自体の情報は少ないため将来に対して不安なものでした。そんな中で、医師としてどんな世界が待っているのかドキドキ、ワクワクして読んだものです。

大学病院での研修(本の時代ではインターン)を経て、医師として赴任した市中病院との差異などは、とても参考になったものです。自分自身が将来大学に残れるのか?、市中病院で働くのか?、開業するのか思いを巡らしたものです。当時は、今の自分のように、専門医でありながら経営にも携わらせているとは想像もつきませんでしたが・・


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ワクワクして読んだ点は、やはり恋愛です。赴任先の病院での、数々の恋愛劇。これには相当期待しながら読み進めたものです。この点は、そんなに甘くなく、渡辺先生独自の経験かと感じました。その後、作家を目指して単身上京した際も、最初は週に4回程度のバイト、その後本が売れるにしたがってバイトの回数が減っていきました。当時から、医師のバイトは割が良かったことを感じさせます。しかし、そんな単身での東京でさえ札幌から愛人を連れて行った点は、やはり当時からスケールの大きい方であったのでしょう。ちなみに、この本は古尾谷雅人さんを主人公としてドラマ化されました。

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