医師という仕事柄、あまり“営業”を意識したことはありませんでした。そんな中で、ご縁を頂いた長谷川千波さんの“営業の悪魔”を読みました。営業のノウハウ本であれば、まず読むことはありません。筆者自身も『上位0.1%のトップセールスの実態は、ビジネス書には怖くて書けません』と言われています。そのためこの本は、ビジネス小説仕立てになっています。ストーリーに引き込まれているうちに営業の勉強までできてしまいます。小説の中では個性的で魅力的な営業マンにより、以下のような言葉が散りばめられています。いくつか紹介します。
・ 営業の仕事と女の口説き方は、意外と共通点がある
・ 会社に依存している奴は、給料は会社から出ていると思っているから監視されていないとサボる。お金は、お客様からもらっていると考えれば、サボることはできない。
・人の上に立つ人間には、リスクを取って挑戦する無謀な若者がいると、支援の手を差し伸べる人もいる。他方で嫉妬に駆られて妨害する人間もいる。
・人の助言に対して、自分ができない理由をあげつらうのは、難しいことや面倒なことを回避したい気持ちがあるからです。でも、言い訳する本人には、それが言い訳だという自覚がないから始末に負えない
・ バイキンマン作戦・・お客さんから、感嘆の『はーひふーへほ』
・ あなたが恵まれなかったと感じるのは、人に何かをしてもらうことを期待してきたからです。巣食っている依存心を捨てられるといいですね
消費者の立場からすると、同じ商品なら間違いなく上位0.1%のトップセールスから購入したいと思いました。営業に縁のない方にも、小説としてもお薦めです。