幸田真音さんの『日本国債』や高橋是清を題材にした『天佑なり』といった著書を読むと
債券市場や金利との関係を小説仕立てで理解することができました。
2017/3/8には、新作『大暴落ガラ』が発売されました。
あらすじは、”豪雨で荒川が決壊、東京都心が洪水に襲われる。
その夜、「日銀の債務超過」というニュースが流れ、円と国債が大暴落――。
初の女性総理・三崎皓子はこの危機から日本を救えるのか?”
いつ地震が起きてもおかしくない現状では、洪水を地震と置き換えても良いかもしれません。
本から紹介します。
1) かつて国債を中心とする債券市場は、政府や金融当局が誤った政策を勧めようとするとき、
「暴落」という形をとって強く警鐘を鳴らす存在だった。
2) 市場の洗練や成熟を望んでいたはずの金融当局の手によって、
まさか今日のように市場が破壊されてしまうとは、だれが予想しただろう。
3) 機関投資家というものは、不透明感を嫌う。
先々が読めないような事態が起きると、より安全な分野へ資産を避難しようと考える。
4) FRBやECBのバランスシートがGDPの20%台なのに、日銀だけが100%に近付いていた
ついに、日本の中央銀行である日本銀行が、債務超過に陥った!
日銀が債務超過になれば、我が国の通貨である日本円そのものの信用が失墜して暴落するのは当然。
日本国民も円を持ち続けることに不安をもつと、国内からも円の流出が起きかねない。
5) これまで政府と日銀が手を携え、大量の国債やETFを買い入れ、かろうじて市場を支え、
体裁を繕って山積みする課題を力づくで押し込めてきた。そんなマグマが支えきれなくなって噴出しようとしている。
6) 東京発の世界恐慌か?日本経済の終わりの始まりか?
7) 日本人は勤勉よ。災害のたびに打たれ強くなっている。復興の兆しは確実に見えているし、日銀の財務強化ももちろんやる。この後は間違いなく円高に向かうわ
小説というより、前もって対策を立てるために指標になるような本です。お勧めです。