保険代理店さん理解してください!・・一人医療法人の特殊な経営戦略

2013-08-21

ブレイングループ法人3社のうち、医療法人ブレインは、一人医療法人特有の経営をする必要があります。単に利益を上げれば良いわけではない点です。利益を上げて、納税して“骨太な経営”をする株式会社とは大きく異なります。

節税を考えれば、個人と医療法人のバランスを取りながらトータルの納税額を減らすことができます。しかし、これでは医療法人に利益が多く残ってしまい純資産額が大きくなってしまいます。中には10億円近くの純資産をもっている一人医療法人さえあります。

なぜ医療法人は純資産を大きくしてはいけないのでしょうか?後継者がいる場合には、莫大な相続税もしくは贈与税を支払う必要が出てくるのです。相続の際には、他の相続人に対して、純資産に見合うだけの資産がなければ“争族”の原因にさえなります。。そのうえ、2007年4月以降に設立された『持ち分の定めのない医療法人』の場合、後継者がいなければ解散時の残余財産の帰属先は「国、地方公共団体等」の中から選ぶことになるのです。医療法人は、医師及び歯科医師しか理事長になることができません。そのため、誰にでも売却できるわけではありません。純資産が大きければ、それだけ売却先が限定されることになります。ですから、医療法人は純資産を大きくしてはいけないのです。


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そのため一人医療法人の場合は節税より、計画的に役員報酬を受け取り、医療法人の利益は赤字と黒字を繰り返す程度にする必要があります。もちろん、役員報酬を受け取っても、万が一の時は個人貸付できるように無駄遣いはできません。毎年決算後に、1年分の試算表を作成し、決算後3か月目からの役員報酬を調整します。もちろん、役員報酬の再調整はできませんので、年密な計画が必要です。

そんな詳細な計画を狂わせるのが、法人による保険加入です。全損であれば問題はないのですが、1/2損金の場合、年間の保険料の半分は利益で捻出する必要があります。そうすると、医療法人が利益を上げる必要が出てきて、結果的に純資産が大きくなってしまいます。つまり、“医療法人の経営戦略”と“加入する保険の保険金額”のベクトルを一致させる必要があります。しかし、残念ながらこれらを完璧に理解してくれる会計事務所と保険代理店が少ない点が、医療法人の理事長を苦しめるのです・・。

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