家族の関心に勝る良薬はないが、“ぽっと出症候群”が介護現場を疲弊させる

2015-02-02

『先生、認知症の進行を止めるために私達家族ができることはありませんか?』、必死なご家族から聞かれることがあります。当院には、1時間以上かけて通院される患者さんが結構見えます。通常内科系のクリニックの場合、半径500mが診療圏と言われています。当院では、時に100㎞離れた場所から通院いただけるケースもあり感謝です。特に土曜日などは遠方からの患者さんで賑わいます。特にその日は、お供される家族が多いため患者さんの数以上に、待合室が込み合います。

不思議ですが、遠方から来られる患者さんの方が改善する傾向があるようです。一つの原因がご家族の関心だと思っています。良いと聞けば遠方でも連れてこられる家族関係が素晴らしいのです。きっと車の中で、いろいろな話をされるでしょう。診察後は、一緒にお昼ご飯でも食べていかれるようです。そして服薬の際は協力して手伝い、効果も皆が気にして見守ります。このような家族の関心が、患者さんの症状を改善させるのです。まさに“家族の関心に優る良薬はない”なのです。


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このような外来を続けていると、患者さんやご家族との関係はとても良好なものになります。しかし、そんな関係を一瞬で崩す人達がいます。いわゆる遠方に離れている子供さんです。多くは東京(なぜか東京です)に嫁いだ娘さんが多いようです。突然現れ、言いたいことだけ言って、権利を主張して帰っていきます。残された者たちは“唖然”としてしまいます。このことを我々の業界では、“ぽっと出症候群”と言います。こんな“ぽっと出症候群”が介護現場を疲弊させるのです。どなたでも、立場が変わると“ぽっと出症候群”を演じてしまうことがありますので、気をつけていただければ幸いです。

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