先日、実家に帰った際に“すき焼き”を食べました。
甘辛味の牛肉や野菜に溶き卵につけて食べるすき焼きは、濃厚な味わいでごちそう感満点です。
昔から食べられてきた日本独特の鍋料理ですが、関東と関西ではつくり方が違います。
関東では、だし汁としょうゆ、みりんなどを合わせた割り下で最初から具材を煮ますが、関西では、最初に肉を焼きつけて、砂糖やしょうゆなどを直接入れるのが特徴です。
実家では、転勤で大阪での生活が長かった父親が作ると関西風、最後にうどんを入れることにこだわる母親が作ると関東風になります。
我が家の3人娘は、贅沢なことにすき焼きは“くどい?”といって、卵を付けずに食べています。
“すき焼き”というだけで心躍る世代からすると、“これが時代なのか?”“教育が悪いのか?”と思ってしまいます。
そんな自分には、母方の祖母との“すき焼き”の思い出があります。
昔、転勤のため我が家は大阪に住んでいました。
夏休みと冬休みに、母方の祖母のもとに帰省するのはとても楽しみでした。
帰省したその日は、祖母がご馳走としてすき焼きを用意してくれました。
散々、すき焼きを食べた後、祖母は、『明日は何が食べたい?』と聞いてきました。
自分は、冗談で『すき焼き!』と答えました。
そんなことを言ったことも忘れ、翌日も楽しい時間を過ごし、夕食の時間。
なんと連日のすき焼きが用意されているではないですか、『なんで今日もすき焼きなの?』 と聞くと、祖母は『あんたが、食べたいといったからだよ』と答えました。
久々に帰省してきた孫の言葉には、冗談は通じなかったようでした。
そんな祖母も今では、認知症になっていますが、体はとても元気です。改めて、祖母に感謝です。