カリフォルニアで保険適用!鍼灸が海外で効果が認められる5つの理由

カリフォルニアで保険適用!鍼灸が海外で効果が認められる5つの理由

私が40歳の頃は、身体中のどこかに痛みがありました。頭、首、肩、背中、腰、足、どこも痛くないことはありませんでした。現在53歳になる自分が40歳の時に鍼灸に出会わなかったら? そう考えるとぞっとします。きっと痛み止めを飲んで、根本解決にならないマッサージを受けまくって…。それでも体の不調が取れず、「精神にまで悪影響が及んでいたのでは?」と恐ろしくなります。

鍼灸というと、非科学的といって毛嫌いをする方もいらっしゃいます。しかし、先入観のない海外では、カリフォルニア州の公的保険が鍼灸の運用を開始しました。世界的に見ても、鍼灸の効果は認められているのです。今回の記事では、鍼灸が世界的に認められている理由について脳神経内科専門医の長谷川嘉哉がご紹介します。

1.カリフォルニア州の公的保険が鍼灸の適用を開始

実は、オレゴン州や退役軍人省ではすでに鍼灸は保険適用がされていました。今回は、カリフォルニア州の公的保険が鍼灸の適用を開始したのです。以下をご紹介します。

Central California Alliance for Health (CCAH、中央カリフォルニアで公的健康保険を運営する非営利団体)では、慢性的な痛みを抱える患者のオピオイド依存を減らすために、実験的な試みを行ないました。漢方学の大学院であるFive Branched Universityを中心に、5つの拠点に鍼灸の診療所をオープン、痛みを減少させることを目的とした治療を2014年の夏に開始しました。この実験的なプログラムでは、80パーセント以上の患者が鍼灸によって痛みとオピオイド服用のどちらも減少させることに成功しています。この結果を受けてCCAHは、Medi-Calの患者に対して鍼灸の治療を保険の対象にすることを決めました。現在では、CCAHではすべての人が月2回までの鍼灸を紹介なしで受けることができるようになっています。(引用 鍼灸ニュース

2.鍼灸が改善するオピオイド依存とは?

Drug in middle age
日本では緩和ケアに使われることが多いオピオイドですが、米国では濫用が問題になっています

鍼灸は、慢性の痛みに使用されるオピオイドの使用を減らし、依存も減らします。

2-1.オピオイドとは?

オピオイド(Opiod)とは、植物のケシから採取されたり、そこから合成された化合物を言います。鎮静、陶酔作用があるため、医療においては手術や、痛みのコントロールに使用されます。具体的には、モルヒネ、ヘロイン、コデイン、オキシコドンなどが含まれます。さらに合成オピオイドには、フェンタニル、メサドン、ペチジンなどがあります。

2-2.米国では大量に処方?

米国では、痛みに対して、2015年には2.4億件のオピオイドが処方されています。この数は、米国の全成人全員に1回は処方されていることになりますから驚きです。

2-3.鍼灸がオピオイド危機を救う?

オピオイドには、依存症や、離脱症状があり、さらには、過剰摂取による死亡の危険性があります。アメリカの神経学会では、頭痛、腰痛、線維筋痛症などの痛みに対しての、オピオイドの使用は危険性をはるかに上回ると発表しています。しかし、やはり痛みを訴える患者さんに処方しないわけにはいかないため処方は継続され、遂には、2017年には、「オピオイド危機」と呼ばれる非常事態が宣言されたのです。そんな環境下で、オピオイドの使用を減らすことができる鍼灸は画期的なのです。

3.日本での現状

米国ほどではありませんが、日本でも多くの方が痛みに苦しんでいます。


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Doctor and patient
整形外科的疾患があれば治療できますが、理由がわからない痛みの場合は、対処は限定的です

3-1.整形外科医は痛みを治療する科?

多くの方が、痛みがあると整形外科医を受診します。実は、彼らは痛みをとることが専門ではありません。あくまで骨や組織をチェックして、骨折や腫瘍などの病気がないかを調べることが仕事なのです。そのため、病気がなければ、患者さんが痛みを訴えようが手立ては限られています。

3-2.整形外科の治療はお粗末?

病気がなくても痛みを訴える患者さんには、整形外科医は痛み止めを投与するだけです。そして痛み止めの効果がなければ、安定剤を処方するのです。

3-3.痛みは自分に合った方法を探す?

私自身が、止まることのない痛みに悩んでいた時は、骨折や腫瘍といった病気もありませんでした。もちろん、精神的に病んでいたわけでもありません。人体というものは、身体や精神に病気がなくても痛みが生じることがあるのです。整形外科医はそこを理解をしてくれません。従って痛みに悩んだら、整形外科で検査をしてもらった後は、医療以外で自分に合った方法を探す必要があるのです。

4.鍼灸で改善した仲間たち

私自身は、鍼灸で痛みが改善しました。そのため私も多くの方に鍼灸を薦めて喜んでいただいています。一部をご紹介します。

4-1.整形外科への通院が不要になった

整形外科にかかっても医師は、「どこも悪いところはありません」といって鎮痛剤を処方するだけです。リハビリと称して、電気を使った機械を当ててくれますがあまり改善した感じは得られないでしょう。そんな方々には特に鍼灸が効果的です。整形外科で、病気がないことだけは否定してもらったら、あとは鍼灸がお薦めです。

4-2.うつ病が改善した

鍼灸は痛みだけでなく、精神もコントロールしてしまいます。実際に、うつ病が改善した方もいらっしゃいます。うつ病は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れていることが多いものです。鍼灸は、自律神経のバランスを調整しますので、とても効果的なのです。考えてみれば、鍼灸でよく眠れるようになり、食欲が増進すれば殆どの病気は治ってしまうのです。

4-3.緑内障の眼圧が下がった人

目の疾患に対しても鍼灸は効果的です。眼圧が上がって、視力が低下して失明の危険がある緑内障という病気があります。私の患者さんには、鍼灸をはじめて、眼圧が下がっている方もいらっしゃるのです。

5.身体のメンテナンスにも鍼灸はお勧め

鍼灸は、症状がなくても、定期的な身体のメンテナンスとしてもお勧めです。私も、鍼灸を始めてからは、局所的な痛みも全身疾患もありません。しかし、あくまで体の調整として鍼灸を続けています。

1週間のハードワークの後、鍼灸の治療を受けていると、ぐっすり眠っています。そうすると治療の後半では副交感神経が優位となって、腸が動き始めるのがわかります。まさに1週間の疲れをしっかりとって翌週の仕事につなげることができるのです。症状がなくても、鍼灸を定期的に受けていることで、病気を予防するのだと思っています。

6.まとめ

  • 日本では偏見のある鍼灸ですが、海外では効果が認められています。
  • 痛みのコントロールは、整形外科よりも鍼灸がお薦めです。
  • 病気がなくても、病気の予防のためにも鍼灸で定期的なメンテナンスを行いましょう。
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