運動習慣があれば60歳以上でも糖尿病の介護リスクを低減!方法は

運動習慣があれば60歳以上でも糖尿病の介護リスクを低減!方法は

当院は認知症専門外来を中心としていましたが、令和2年6月の歯科診療所併設を機に糖尿病専門外来も開設します。もともと認知症患者さんや脳血管障害の患者さんを中心に診察をしていたため、必然的に糖尿病患者さんも多くいらっしゃるのです。糖尿病は、認知症・脳血管障害・歯周病と関連しているため介護リスクを増加させことは経験的に理解していました。

そんな中、糖尿病による介護リスクを運動習慣で改善できることが報告されました。今回の記事では、月に1,000名の認知症患者さんを診察する長谷川嘉哉が運動習慣で糖尿病による介護リスクを減らせる理由をご紹介します。

1.「糖尿病」「運動習慣がない」で介護リスク上昇とは?

新潟大学の研究チームが、新潟県三条市における医療ビッグデータを統合解析した研究で、運動習慣が介護発生リスクを低減することが明らかにしました。ご紹介します。

研究チームは、生活習慣病や運動不足が、要介護状態に陥る、つまり健康寿命が終わるリスクをどの程度上げるかを大規模・精密に検討する研究を行った。新潟県三条市における特定健診と診療報酬請求(レセプト)と介護保険のビッグデータを統合解析し、生活習慣病と要介護状態に陥るリスクとの関係を解析した。介護発生リスクは、「糖尿病」があると1.7倍に上昇し、「運動習慣」がないと1.8倍に上昇することが分かった。さらに介護発生リスクは、「糖尿病」、「高血圧」、「脂質異常症」、「運動習慣なし」の4項目すべてが当てはまると、いずれもない場合に比べ4倍に達した。(出典:糖尿病ネットワーク

2.糖尿病が介護リスクを増やすとは?

Medical examination sheet in Japanese
尿糖の定期的な検査で糖尿病も傾向を確かめましょう

そもそも糖尿病になるとなぜ介護リスクを増やすのでしょうか? 介護とは、「運動機能低下に対する介護」と、「認知症により生活が自立できなくなることに対する介護」の大きく2つに分けられます。

2-1.身体介護

糖尿病があると、脳梗塞などの血管が詰まるリスクが高くなります。糖尿病があると、脳梗塞の発症率が2~4倍に増加します。脳梗塞になると、たとえ救命されても、片麻痺や体幹失調といった症状を残すため、生活の中で、歩行、移動などに介護が必要になるのです。

2-2.認知症介護

認知症になると、徐々に自分のことができなくなり、介護が必要になってきます。認知症とは、病気の総称で、その原因は100種類以上あります。しかし、その中でも頻度が高い二つが、アルツハイマー型認知症と血管性認知症です。最近の研究では、糖尿病がアルツハイマー型認知症と血管性認知症のいずれの原因にもなることが分かってきました。詳しくは、以下を参照になさってください。


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3.運動習慣があれば糖尿病でも介護リスクを減らせる理由

先程、ご紹介したように、運動習慣のない糖尿病患者の介護発生リスクは、運動習慣のある非糖尿病者の3.2倍に上昇しました。しかし、糖尿病があっても運動習慣があれば、そのリスクは非糖尿病者と変わらないことも明らかになったのです。つまり、たとえ糖尿病があっても、運動習慣があれば、介護発生リスクを糖尿病でない人と同じように低減できるのです。

4.介護リスクを減らす運動習慣具体例とは

今回の研究における運動習慣は、中等度の運動を週に2回30分以上、1年間継続したと定義しています。「中等度」の強さの運動とは、自覚的に「きつい」と感じない程度で、軽く会話ができる程度の運動とされています。運動時の心拍数は1分間100~120拍以内が目安となります。手軽に、散歩、ウォーキング、サイクリングなどがお薦めです。

5.ブレイングボード®もお薦め

ブレイングボード®の運動例

今回の研究における運動習慣は1回30分以上、週に2回とあります。但し、外来をやっていると、やる人は毎日でもやるのですが、やらない人は1日もやらないので困っています。

そんな方には、ブレインググループが開発したブレイングボード®もお薦めです。ブレイングボード®は、「有酸素運動」「筋力トレーニング」「柔軟性向上」「バランス性向上」の4つの運動がわずか5分でできてしまいます。特に、有酸素呼吸運動だけでなく、筋力や柔軟性・バランスを改善することは、より介護リスクを減少させますのでお勧めです。

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6.まとめ

  • 糖尿病は、身体介護と認知症介護のいずれの誘因となり介護リスクが高くなります。
  • 運動習慣のある糖尿病患者さんは、介護リスクが高くなりません。
  • 中等度の運動を30分、週に2回定期的に行うことで大事になります。
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