他人事でない、実話を元にした映画「国家が破産する日」から学ぶこと

他人事でない、実話を元にした映画「国家が破産する日」から学ぶこと

現在、日本人の多くの人は、多少の不満や不安があっても、それなりの生活が送れています。その前提は、日本という国が維持されるという前提があるからです。しかし、いったん国が破産してしまえば、ありふれた日常をも成立しなくなります。

日本人の多くは、「日本が破産するなどはあり得ない」と考えています。しかし、1997年の韓国では現実に国家破産がおき、多くの自殺者をも出したのです。

そんな実話を描いた、映画「国家が破産する日」を見てきました。ここで描かれたことは、世界でも類を見ない財政赤字を抱えた日本に住む我々にも他人ごとではありません。今回の記事では、この映画から学び、今からでも実行しておくべき対策をご紹介します。

目次

1.映画のあらすじは

Finance business concept
90年代に韓国で起きた財政破綻がテーマです

韓国映画の1997年の通貨危機(IMF経済危機)を題材にしたこの映画は、当時、非公開で運営されていた対策チームがあったという短い記事から始まります。「OECD加盟」「経済先進国の仲間入り」「(香港、シンガポール、台湾と並ぶ)アジア四小龍」といった好景気を表す言葉が躍る中、何の前触れもなく迫りつつあった国家破産の危機。そのときの緊迫した状況を、映画的想像力を駆使して7日間という時間の中に盛り込んで構成されています。 最悪の事態を回避しようと全力を注ぐ韓国銀行の通貨政策チーム長、危機に「投資」する金融コンサルタント、無防備な町工場経営者という3人の物語を同時進行で描き、IMF(International Monetary Fund、国際通貨基金)との交渉の本格化とともに、それぞれの人生も大きな転機を迎えます。

2.私の感想

私なりの映画を観た感想を述べさせていただきます。

2-1.日本は他人事でない

現在、日本の財政赤字は1000兆円を超えています。2011年に財政破綻に陥ったギリシャの財政赤字は約43兆円。日本は、20倍以上の借金を抱えているのです。それでも、借金の9割以上が国内の投資家が買っているから、日本は破産するとは誰も思っていません。しかし、いったん国債が自国で消費できなくなった際には、即座に国家破産に向かう可能性があるのです。この点については以下の書籍もお薦めです。

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2-2.自国では変われない

このまま借金が膨らめば、日本は破産してしまいます。そのために、医療費や年金を減らしたり、構造改革も必要です。しかし、自国で改革を試みても、現在の日本では、既得権をもつ人々による反対により、何も変えることはできません。そのため、映画の中のように政治家や官僚が、「国家破産によってIMFを介して、ドラスティックな構造改革を!」と考えても、やむを得ないのかもしれません。

2-3.自ら身を守るしかない

国家破産の際は、国も影響力を考えて大企業を守らざるを得ないのです。もちろん、大企業でも相当のリストラを避けられませんが、中小企業などはひとたまりのないのです。こうなると映画の中のセリフ「自分以外は誰も信じるな」につながるようです。

3.IMFは何をしたのか?

IMF entrance with sign of International Monetary Fund, concrete architecture building wall security guard doors
米国ワシントンにあるIMF(国際通貨基金)本部

映画の中で、IMFが重要な働きをします。


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3-1.IMFの目的は

IMFの目的は、国際収支が著しく悪化した加盟国に対して融資を実施することなどを通じて、

  • 国際貿易の促進
  • 加盟国の高水準の雇用と国民所得の増大
  • 為替の安定、などに寄与すること となっています。

3-2.IMFは何をする?

当然、IMFは、ただ融資をするだけでなくその国の経済全般の改革にも介入します。破産した国としては、それを黙って受け入れるしかないのです。

3-3.IMFの具体的な要求

映画の中では、以下のようなIMFによる条件が描かれていました。

  • 総合金融会社と呼ばれるノンバンクがすべて営業停止
  • 公定歩合は15%から30%へ
  • 雇用形態を、解雇しやすいシステムに変更

結果、企業、中小・零細企業を問わず企業の倒産が相次いで、多くの人々が路頭に迷うことになったのです。

4.国家破産のための予防策は?

映画から学ぶ、国家破産のための予防策は、以下のようなものになります。

4-1.組織に依存せずに生きるためのスキル

国家破産が起これば、サラリーマンは会社の規模に関わらず仕事を失うリスクが高くなります。組織を離れても、稼ぐためのスキルを身に着けるべきです。このことは、国家破産しなくても、定年後の人生にも役に立つものです。

4-2.固定金利をふくめて過剰な借金はしない

仮に仕事を失っても借金がなければ、日々の食い扶持だけなら何とかなるものです。過剰な住宅ローンを抱えていると、仕事を失った時点で、自宅も失います。人間は、自宅を失うと、自殺する率が増えてしまいます。ところで、国家破産の際に固定金利なら安心と思っていませんか?実は、融資約定書の「利息」に関する条項には、「金融情勢の変化、その他相当の事由がある場合には、一般に行われる程度のものに、変更を請求できるものとします。」と書かれています。つまり、固定金利が絶対に固定ではないのです。

4-3.資産を分散

国家破産になると、インフレが起き、通貨安、株安、国内不動産が暴落となります。それ以外の資産に分散しておくことが重要です。具体的には、外貨、金、そしてこれからの時代は仮想通貨もお薦めです。

Double exposure of stock and profit graph on rows of coins for finance and banking concept.
国外市場や金などに分散投資しておくことをお勧めします

5.マイナス局面を利用してのし上がることも

国家破産になった際にも、それなりに収入が確保でき、資産もあれば、チャンスともいえます。映画のように、暴落した株や不動産を買いたたけば、IMFによる構造改革後のV字回復の際には、莫大な利益を得ることができるのです。

但し、実際の韓国の例では、銀行に預金をおいておくだけでも公定歩合が高くなったので、結構利益を得ることができたようです。

6.まとめ

  • 韓国の実話をもとにした、「国家が破産する日」は、借金まみれの日本人には必見です。
  • 万が一に備え、自分自身のスキルを身につけ、過剰な借金はせずに、資産の分散が必要です。
  • 上手く対応できれば、国家破産をきにのし上がることも可能なのです。
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