暴風雪の中での本との出会い“社長が絶対に守るべき経営の定石by佐藤肇”

2013-02-11

講演のために金沢へ向かう道中は、暴風雪のため社内で閉じ込められることも覚悟していました。

そのため、以前から時間があれば読みたいと思っていた『社長が絶対に守るべき経営の定石by佐藤肇』を持っていきました。旅行に持っていくには、大きすぎる本ですが、往復の車内で読み終えることができました。

いくつか紹介します。

①  リーマンショックで最初に指示したことは2つ、『無理して売るな』、『在庫を減らせ』・・無理に売らなくても、無駄な

在庫と設備と土地、建物を減らせば利益は出る。

②  健全性は自己資本比率、収益性は総資本利益率(ROA)が目安・・ROAは、最低でも国債の利回り以上

③  斜陽化するものは赤字化する前に捨てる。そして新たな成長産業に着手して経営資源を集中させる

④  小資本で高い付加価値を生む産業以外は手を出さない

⑤  経営には、「攻める経営」「守る経営」「捨てる経営」の3つ

⑥  初年度から利益が出るような新規事業はあり得ない・・1-2年赤字、3年目とんとん、4-5年で赤字を返して

6年目から利益に貢献

⑦  収益目標は、付加価値に対して税引き後5%できれば10%、そのうち一律2%は先行投資に充てる予算に

分配する

⑧  毎月毎月、目標と実績の差を検証して、その原因をつかみ、対策を打つことを繰り返せば、目標は必ず達成される

⑨  最適人員を決めるためには、労働生産性=付加価値/平均人員をつかめ


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⑩  社員の生活プランに合わせて、年齢別に年収を保証する給与ベースにする

⑪  人件費が思いつきにならないために、人件費係数(=人件費総額÷月額給与総額)を明確に

*仕事を単純化し、作業環境を変えていくと常識ではパート化できなかった仕事がパート化できる

⑫  設備投資は原則として、減価償却の範囲内とせよ

⑬  資産勘定の増加は、いつも金利に結び付けて考える

⑭  売上高基準は、百害あって一利なし・・付加価値=粗利で考えよ

⑮  短期借入は、目的に応じて導入し、次の目的までに完済する。長期借入は、銀行の返済期間に関わらず、5-7年で完済するように

⑯  メインバンクには、業績が良い時も悪い時も、つまびらかに公開すること

⑰  中間納税には2通りある。①前年度実績に応じて ②期の中間で仮決算を行いそこで計算した税金を納める。

⑱  創業以来の会社の体質、体力、すなわち会社の実態はBSにすべて集約されている。BSを大事に経営すれば、絶対に会社を潰さない

あまりにも、学ぶことの多い本でした。素晴らしい本との出会いに感謝です。

値段は10,290円と高いですが、値段より遥かに価値のある内容です。

経営者の方には、お薦めです。

長谷川嘉哉監修シリーズ