血糖値スパイク(=食後高血糖)をもつ総合内科専門医として、令和2年4月からリアルタイム血糖値測定器「フリースタイルリブレ」を継続して装着しています。リブレによって頻回に血糖が測れることで、食事による血糖の上がり方の違いに驚いています。
とくに、おにぎりを食べた時の血糖値の上昇は凄まじく、白米は制限する必要があると感じました。そのため、血糖値スパイクの事を考えると、「私の大好物である鰻丼は食べられないのか?」と悲観していました。しかし、試しに鰻丼を食べたところ、おにぎりほど血糖値は上がらない。ご飯だけ、1/4程度残すと、血糖値が140㎎/㎗を超えることもないのです。
ここでおにぎり2個と、鰻丼を比較してみます。
鰻丼 | おにぎり2個 | |
糖質 | 100g | 100g |
カロリー | 600~700Kcal | 400Kcal |
比較すると面白いことに気が付きます。鰻丼とおにぎり2個は、糖質量は殆ど同じ、カロリーについてはおにぎり2個の方が2/3程度に抑えられています。しかし、血糖値の上昇は、鰻丼の方が上がりにくいのです。
これは、「糖質は油と一緒に摂取すると血糖値の上昇が緩やかになる」ことが原因です。おにぎりは、ダイレクトに吸収されるため、急激に血糖値が上昇しますが、鰻丼は油も同時に摂取するため吸収が緩やかになるのです。従来のカロリー重視の食事指導では、鰻丼よりは、おにぎり2個を勧めていました。しかし、血糖値の点から見ると、鰻丼の方がお薦めなのです。
従来、血糖の測定を頻回に行うことは困難でした。しかし、フリースタイルリブレを使えば、頻回に血糖を測定することで、従来にない知見を得ることができます。なかには、従来の指導が間違っていたことが発見されることもあるのです。患者さんによっては、おにぎり2個より、鰻丼の方がはるかに満足度は高く、継続性もあります。(費用はかかりますが・・)
今後も、間違った指導を改善し、患者さんの負担が少ない食事指導を提案してきたいと思います。いずれにせよ、食後の血糖値は、個人差がとても大きいものです。一度はフリースタイルリブレを装着して、自身の持続血糖値の測定をお薦します。詳細は以下の記事も参考になさってください。