アルコール多飲の悲劇

2014-12-10

認知症の専門医として、過去に多量の飲酒歴のある方は、頭部CTを見ると分かります。初診で、『この方は昔はかなりお酒を飲まれましたか?』と聞くと、たいてい当たります。気を付けないといけないのは、現在のアルコール摂取歴を聞いても、“飲んでいない”と答えられるので見過ごされることもあります。アルコール多飲を続けると、いずれは、お酒を飲むこともできない状況になるです。

アルコール多飲とは、、自分は“記憶を失うほどの飲酒を繰り返す”と定義しています。記憶を失うほどの飲酒は、脳に相当のダメージを与えます。結果として、年齢に比し強い脳委縮を呈します。もちろんそれに伴って認知機能も低下します。日々の外来では、アルコール多飲歴のある認知症患者さんの対応に苦慮することが多くあります。正直、普通の認知症患者さんに比べ、手間がかかります。長年の積み重ねから、家族からも冷たい対応しかされていない方も多く見えます。

先日も、お酒を飲んで車の運転をする患者さんが見えました。家族が止めても、本人は“俺は飲んでない”と言い張ります。医師や家族のいうことも聞かないため、公安委員会に通報。免許を取り上げてもらいました。
もう一人は、飲酒の末、部屋に灯油を撒いて火をつけようとしました。何とか家族が止めましたが、精神科の病院に強制入院です。疲れ果てたご家族が、『いっそ、火事で死んでもらっても・・』さえ言われていました。


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実は、私の顧問会計士の先生が、同じ道を突っ走っています。まだ50歳代ですが、誰の言うことも聞いてもらえません。私自身も、後々後悔しないため、周囲も協力してアルコール減量のお願いをし続けたいと思っています。

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