今回の記事は、「朝食は健康の源と信じている」、「3食しっかり食べて年をとっても標準体重を維持している」、「血液検査でも中性脂肪も血糖もまったく異常がない」という方は、読まないでください。
しかし、年々体重が増えている方、血液検査でも中性脂肪や血糖値が気になる方には、ぜひ朝食の認識を変えてもらいたいと思います。
私は、現在の日本の糖尿病並びに糖尿病予備軍2000万人の原因の一つが、日本人の朝食神話であるとさえ感じています。大人になれば、朝食は抜きの方がメリットは多いと考えています。どうしても何か口にしたいのであっても糖質は最低限にしてほしいものです。今回の記事では、その理由についてご紹介します。
目次
1.そもそも1日3食糖質は多すぎる
カロリー面で見ても、1日3食、糖質を摂取することは、現代人にとっては糖質が多すぎるのです。日本では江戸時代まで、庶民は基本的に1日2食でした。昔のように朝から晩まで肉体労働をしているような時代とは異なる現代社会では、糖質はそれほど必要ではないのです。
特に中性脂肪や血糖値が高いと言われた方は、「1日に1食でも糖質を減らす」と驚くほど数値が下がります。理想は朝食では糖質を控えめにして、昼食と夕食では普通通りの糖質摂取がお薦めです。
そうなると結果的に1日の糖質摂取量が減り、夕食が20時で昼食が12時と考えると糖質摂取の間隔が16時間となり理想的になるのです。
なおこの方法は、「断続的断食(インターミッテントファスティング)」や「16時間断食」、「プチ断食」と呼ばれることもあります。食事を摂る時間と摂らない時間を明確に分け、胃腸にかかる負担を減らすことにもつながるのです。
2.朝食より早起きが血糖値には重要
朝食に糖質を取らないと空腹感が強くなり、仕事や勉強に集中できないという言われがちです。しかし人間の体は、睡眠状態から覚醒することで、自然と血糖値が上がる仕組みになっています。私も何度も朝食を抜いてみてから血糖値を測定しましたが、何も食べなくても血糖値は上がるのです。
皆さんに重要なのは、食事を摂るか取らないかよりも、早起きができるか否かなのです。早起きをして、ゆっくり新聞でも読みながらコーヒでも飲んでいれば、糖質はとらなくてもゆっくりと血糖値はあがるのです。そんな時間もなく家を出ると、血糖値が上がる間もないため空腹感を感じるのです。
3.どうしても空腹感が残れば
空腹は、胃腸が空になったから感じるのではなく、血糖が下がったときに脳の空腹中枢が発するサインです。わずかに糖分を補給してやれば、ほんの数分で空腹感は治まります。食物をお腹に詰め込まなくても、血糖値を上げる糖分を補給すればよいのです。
4.運動すると空腹感は感じない
朝の空腹時の運動もお薦めです。私は、朝食で糖質を取らずに7000歩ほど歩きますが、まったく空腹は感じません。この理由としてはセロトニンという神経伝達物質が原因です。セロトニンが多いと満腹感を感じ、少ないと空腹感を感じ にくくなります。
セロトニンの約90%は腸に含まれており、ウォーキングをすることで腸が温まると、セロトニンの働きが活性化します。つまり、ウォーキングはセロトニンの働きを高め、空腹感を抑制する効果があるのです。そのうえ、空腹時にウォーキングをすると、体内に蓄えているグリコーゲンや脂肪をエネルギーに変えて消費してくれるのでさらに効果的なのです。
5.こんな朝食なら取らない方が良い
急激に血糖を上げてしまう朝食は害にさえなります。朝起きて、空腹時にいきなり糖質を摂取すると、血糖値が急上昇します。それに対して、インスリンが過剰に分泌され、一気に血糖値が下がって低血糖になってしまいます。
朝食に、菓子パン、パンケーキ、糖の多いジュース類は、血糖が急激に上がった反動で低血糖を招いてしまうのです。こんな朝食を起きてすぐに食べて、学校や職場に向かってしまうと、いざ授業や仕事が始まる際には、低血糖で集中することができないのです。
実は、「朝食の過剰な糖質」が低血糖を介して、「仕事の能率が悪い」、「成績が悪い」、「イライラしやすい」につながっているのです。
6.理想的な朝食とは?
和食、朝食であれ、通常のメニューから、ご飯とパンといった糖質を抜いたものが理想的です。具体的には、和食であれば、みそ汁、納豆、卵焼きだけ十分です。洋食であれば、卵、ハム、サラダ、チーズ等だけで十分です。
7.空腹の方が排便には良い
「規則的な排便習慣のためにも朝食は必ず摂りなさい」 という健康法も喧伝されています。 実はこれも間違った考えです。人体の生理に「吸収は排泄を阻害する」というものがあります。 人間は食べると、消化・吸収を促進しようと、血液が胃や小腸に集中、他の臓器への血流が不足する状態になり排便しにくくなります。つまり規則正しく、適切な排泄をするためには、食事を摂らずに胃や小腸を休めることが大切なのです。どうしても何か取りたい場合は、温かい飲み物や糖質を含まない食事を摂取すればよいのです。
8.まとめ
- 体重が増えて、血糖や中性脂肪が高い方は無理して朝食をとる必要はありません。
- 「朝食の過剰な糖質」は低血糖を介して、かえって害になります。
- 朝食で糖質を控えて運動をすると、蓄えているグリコーゲンや脂肪をエネルギーに変えて消費してくれるのでさらに効果的です。