在宅医療では
訪問医療を行う医師だけでなく
ケアマネ、訪問看護師、訪問リハビリ、など
多くの職種との連携が重要です。
その中で、忘れがちなのが、歯科医&歯科衛生士さんとの連携です。
彼らには口腔ケアを中心にお願いすることになります。
ベッド上の生活が主となる在宅療養患者さんの場合
口腔内の環境保持はとても大事です。
患者さんや家族での歯磨きでは、どうしても磨き残しがでます。
それが原因となり歯肉炎となります。
口腔ケアが行われると
我々が診ても歯肉の発赤・腫脹が
改善することが分かります。
さらに口腔内の環境が改善されると
唾液や食べ物を気管支に入れることで発症する
誤嚥性肺炎を予防することができます。
時々、胃瘻や経鼻胃経管栄養により
経口摂取をしていない患者さんには
口腔ケアが不要との声が聞かれます。
しかし、これは間違った認識です。
人間は、通常1日1.5リットルの唾液が分泌されます。
経口摂取をしていなくても
歯がなくても
口腔ケアは必要なのです。
口腔ケアでは、口腔内だけでなく
簡単な嚥下リハビリも行われます。
むせがひどくて経口摂取が不可能?
と思われた患者さんが
改善するケースも見られます。
ちなみに口腔ケアをお願いして
分かったことがあります。
在宅患者さんの部屋は
独特の臭いがあります。
これは、やむを得ないものだと感じていました。
しかし、この臭いが消えるんです。
これらに臭いのもとは口腔内の臭いであったのです。
歯肉炎・誤嚥性肺炎も予防して
嚥下リハビリによって、経口摂取を維持し
部屋の匂いまで取ってしまう
歯科医&歯科衛生士さんの働きには
感動です。
まさに、『口は健康の入り口』なのです。
これからも積極的な連携を図っていこうと思います。