地主ではないのですが、何気なく手に取りとても勉強になりました。どこの世界でも、「自分たちの利益しか考えていない銀行」、「能力の低い税理士」、「営業第一主義の不動産屋さん」には悩まされているようです。逆に言えば、優秀なブレインでチームが作れれば最強になるようです。地主さんでなくてもお薦めの一冊です。
- 地主を取り巻く社会経済環境は年々厳しくなりつつある。固定資産税、消費税、相続税、修繕費、管理にともなう諸経費等々、何も対策していなければ、資産は確実に減っていくのだ。
- 地主には「人を見極める力」「時代の流れを読む力」「決断する力」が必要である
- 内情を知れば知るほど、「信じられない!」と驚くことが少なくない。それは、地主に対する銀行の対応だったり、税理士の能力だったり、デベロッパーの向き合い方だったり……
- 税理士に相談すると、「自分の専門外だからできない」と言ってくれるのは正直でいいとしても、「方策を考えましょう」と言いながら、じつは何も解決策を見出してくれないケースもある。
- 生きている間は固定資産税などの税金を納めていて、さらに死亡時に相続税がかかるというのは、地主にとって負担が大きい。
- そのとき初めて、銀行は、自分たちの利益しか考えていなかったのだと気づいた。
- 経営という言葉がある。 経営は、経理の「経」と、営業の「営」と書く。本来、営業して利益を得ることだ。
- 多くの税理士は経営感覚に乏しく、何にお金を使うべきか、何に使うべきでないか、判断もアドバイスもできないのは無理もない。税のプロであって、経営者に経営のアドバイスをするのが主たる業務ではない。
- 「私たちの中では今も昔も、 銀行さんに相談するほうがリスクがある という認識です。バブル時代に、父も銀行さんからだいぶ痛い思いをさせられていました」
- 不動産投資は仕入れが適正で、管理会社がしっかりしていれば大丈夫だと断言できる。 だからこそ、より魅力的な物件に替えるべきだ。
- 多くの人は銀行だから安心だろう、大手だから安心だろうと思っているが、決してそうではない。
- 私が参謀として地主の皆さんにいつもお伝えしているのは「売って終わり」が一番よくない ということだ。代々うまくいっているご家庭などでは、「売ったら買え」が家訓になっているところもある。
- 地主にとって相続税は大きな打撃となる。 しかし 相続が発生したあとでは、できることはほぼない。
- 「結局は、その銀行の長所を拾っていくしかないですね。一つの銀行としか付き合っていないと、足元を見られて、いいようにされてしまう」
- 「資産防衛」というが、何もしないで守るだけでは、資産は間違いなくどんどん目減りしていく。 先祖から受け継いだ不動産を守り、それを活かすには、ただ所有しているのではなく、収益を得ていくことが必要だ。
- 子や孫などの世代に遺すべきは、魚(=土地)だけではない。釣り方(=考え方やプロとの関わり方、力の借り方など)も引き継いでもらうべきだ。
- 不動産事業は感覚的な人よりも、ロジックが組み立てられる人のほうが向いている
- 税理士事務所の中で、不動産に詳しい事務所は決して多くない
- 税理士は地主から離れたがらない。地主についていれば、 いずれ「相続」という、税理士にとって大きい仕事がその先に待っている からだ。
- よい土地を持っていれば、価値の減少はほとんど考えられない。手放せば元の資金が戻る。特に不動産の場合、相続税評価で言えば、1億円を現金で持っているよりも不動産にしたほうが評価は低くなる。
- もしも 法人化せず、個人所有のままだったら、相続税は億単位になっていた だろう。
- 私の自慢は、私の周囲にいる専門家の有能さと誠実さだ。私がハブとなって、必要に応じて声をかける専門家は、専門知識はもちろん、経験知、発想の柔軟性、仕事に対する使命感など、高い意識をもって取り組んでいる。
- 不動産は「動かない財産」であるが、逆に動かせるものと考えることが、これからの時代のキーワード だ。
- 地主の事業には契約がつきものだ。顧問料は決して安くはないが、顧問弁護士がいれば契約書の確認などで心強い。
- 受け継いでほしいと願うなら、「受け継ぎたい」と思ってもらえるようにすること
- 多くの不動産を所有していても、その数量だけストレスを抱えているのも地主