前回までに紹介した2冊の本から、お金の教育の重要性を痛感しました。多くの家庭では、お金の話はタブーとされていたのでしょう。大人になっても、サラリーマンであれば自分自身で納税することもありません。ますます、お金の感覚が鈍くなっているようです。そのため、よい大人がお金の基本的知恵がないために、子供騙しのような詐欺に騙されます。
誤解されている方が多いようですが、お金の教育とは単にお金を稼いで、増やすためのもではありません。そこには必ず道徳観が含まれるのです。
私の家は銀行員家系でありました。『銀行にお金を預けるとなぜ利息が貰えるのか?』 金利の計算方法から、複利の魔術まで学んだものです。しかし同時に、社会における銀行の役割、銀行員としてのプライド、それに伴う慎ましやかな生活も学んだのです。
二宮尊徳さんは、この様な経済と道徳について「道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である」と言い表しています。“稼げない仕事だけどやりがいがあるからやるんだ”と稼げない言い訳をする人。“私、お金の事苦手なんです”と褒め言葉と勘違いしている女性達、“良い歳をして、税務、労務の法務の知識がない子供のような大人達”に噛みしめてもらいたい言葉です。
認知症の診察をしていると、まったくお金の管理をしてこなかった方が多く見えます。お金の教育を受けていないことは、認知症の危険因子でもあるのです。
少なくとも長谷川家では、月 1回の家族会議で、しっかりとお金の教育をしていきたいと思います。