【お薦め本の紹介】経営者にもお薦め『終止符のない人生by反田恭平』

【お薦め本の紹介】経営者にもお薦め『終止符のない人生by反田恭平』

ショパンコンクールで2位に入賞された反田恭平さんの新作です。技術だけでなく、マーケティング、そしてお金のこともしっかり考えている姿には感銘を受けます。読んでいるうちに、ショパンの名曲の数々を聞きたくなってしまいます。同時にビジネスについても参考になり、そしてモチベーションも上がる自己啓発の内容も含まれる、とてもお得な内容です。

  • 19 世紀前半に生きた伝説の至宝フレデリック・ショパンの名前を冠したこのコンクールは、5年に一度しか開かれない。オリンピックよりも稀にしか訪れないこのコンクールのチャンスは、新型コロナウイルス感染症の影響によって1年延期
  • まったく知らなかった楽典を猛勉強した。勉強を始めたら、自分は音楽の勉強が心から大好きだということにすぐ気づいた。
  • 「お父さんの言うとおり、コンクールで1位を取りました。音楽学校に行かせてください!!」  ドラマ「半沢直樹」の大和田常務ばりに、人生で初めて渾身の土下座をした。
  • 僕はもともと、誰からの指示も受けず好きなことだけをやって生きていきたい人間だ。でもそういう我がままな生き方では、音楽家としての未来はないと思っていた。
  • 人間は簡単に死んではいけない。何があろうと 一縷 の望みをかけて希望にすがりつき、生きて生きて生きまくるべき
  • すべての感情と経験は、余さず音楽に還元される。人生経験の引き出しが多ければ多いほど、音楽家が奏でる音色は豊かな彩りを増し、人々の心の 襞 に分け入って深く訴える
  • 若くして亡くなった彼女の無念を、全身全霊で一音に注ぎこもう。そのことが、亡くなった彼女への何よりの 追善 回向 になる。川辺での語らいを通じて、僕はそう決心した
  • いついかなるときも全身全霊で取り組まなければならない。「手を抜かない」たったそれだけのことなのだ。愚直にして 真摯 な姿勢を失った者は、人生のチャンスをつかみ損ねる
  • 審査員の気持ちになって、プログラムを細部まで考え抜いた。ただ完璧に演奏するだけではなく、構成力と分析力を駆使してプログラミングして「おっ、このピアニストは、ほかの人とはひと味もふた味も違うぞ。こいつは本物かもしれない」と、ハッとさせたかった
  • ラルゴ「神よ、ポーランドをお守りください」だ。ショパン通でもほとんど知らないマイナーな曲のため、「これは本当にショパンが作った曲なのかな」と首を 傾げた。
  • アスリートと違って、ピアニストは痩せぎすである必要はない。お腹がデップリ太っている体型のピアニストは、とてもふくよかで深みのある音を奏でる
  • マッチョ体格はショパンコンクールには向かないことがわかったため、一度筋肉をつけたあと、筋トレをやめて体に脂肪を蓄えていった
  • ショパンコンクールのルールブックを読むと「私たちはショパンの新しい通訳者を探しています」と書いてある。
  • 音楽に限らず私生活にも通じると思う。「この人はこういう思考回路をもっているんだな」と決めつけてしまえば、その人がもっている別の性格や人間性が見えなくなってしまう。人間の心は多重構造になっており、一筋縄ではいかないものだ。
  • どんなに素晴らしいプレイヤーだとしても、演奏の素晴らしさを宣伝し、ファンを呼びこむマーケティングが欠けていれば客席は埋まらない
  • 音楽業界初の挑戦は雇用と大きな利益を生み、パンデミックの渦中で音楽家が活動していくモデルケースとなった。それから半年もすると、オンラインによる有料配信イベントは、音楽業界のみならずお笑いでもトークイベントでも当たり前になっている
  • ネットを使った有料配信だって可能なのだし、noteのように誰でも今日から参加できる使いやすいプラットフォームだってある。そこで作品を発表してみればいいと思うのだ。「音楽を発表する場がない」なんて言い草はただの言い訳であって、「場」はいくらでもある
  • 僕が特段イノベーティブなわけではない。クラシック音楽業界以外の人たちが普通にやっている当たり前のことを、自分もやろうとしているだけ
  • 日本の国家予算全体に占める文化予算の割合は、フランスの8分の1、韓国の9分の1だ。 10 倍近い体制で国を挙げて音楽家を支援しているのだから、日本がフランスや韓国に負けるのは当然
  • チェーホフ(ロシアの劇作家) はこう言ったそうだ。 「芸術家の役割は問うことであり、答えることではない」
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